内閣府が2025年2月17日に発表した「国民経済計算」(速報)の家計最終消費支出と、「家計調査」(2024年、二人以上の世帯)のデータをもとに、2024年の市場規模を実質ベースで推計(*)すると、以下のような結果となった。
- 理髪料:3942.4億円(前年比-1.8%)
- パーマネント代:1953.9億円(同-3.9%)
- カット代:5621.3億円(同+0.5%)
名目ベースでは、
- 理髪料:4366.9億円(同+0.4%)
- パーマネント代:2164.3億円(同-1.7%)
- カット代:6226.7億円(同+2.7%)
また、新型コロナウイルス流行時の2020年と実質ベースで比較すると、
- 理髪料:-0.1%
- パーマネント代:-16.4%
- カット代:+11.0%
これらの数値から、理髪料は低迷し、パーマネント代は縮小する一方で、カット代は成長傾向にあることがわかる。
理美容市場全体の推計
3つのサービス(理髪料・パーマネント代・カット代)を合計すると、
- 名目市場規模:1兆2757.9億円(前年比+1.2%、20年比+10.7%)
- 実質市場規模:1兆1517.5億円(同-1.1%、同+1.5%)
また、ヘアカラーやエステティック、ネイルなどを含む「他の理美容代」の市場規模は、
- 名目:2兆1518.5億円(同+5.3%、同+31.1%)
- 実質:1兆9426.4億円(同+3.0%、同+20.1%)
これにより、「他の理美容代」の市場は拡大傾向にあることがうかがえる。
理髪料・パーマネント代・カット代を合計した市場規模は前述のとおりだが、理美容室におけるヘアカラーなども考慮すると、理美容室の市場規模は名目で1兆7千億円前後と推定するのが妥当と考えられる。
なお、ホットペッパービューティーアカデミー(リクルート)は、美容センサス2024年のデータと総務省「人口推計」に基づき、理美容市場(ヘア+理容)を1兆6305億円と推計している。
*推計方法:「家計調査」の消費支出データから理髪料、パーマネント代、カット代の比率を算出し、「国民経済計算」の家計最終消費支出額に適用して計算。