美容サービス支出の全体動向

2025年8月8日に総務省が発表した家計調査(二人以上の世帯)によると、2025年4〜6月期の理美容関連支出は名目ベースで全体的に増加傾向となりました。特にカット代が前期比+10.1%と大きく伸長し、理髪料も+5.0%の増加を記録しています。その他の理美容代(ヘアカラー、エステ、ネイル、アイビューティ等)も前期比+4.1%、前年同期比+9.2%と堅調です。これらの支出は、理髪料・パーマネント代・カット代の合計額の約1.7倍の規模となっており、理美容サービス全体の消費拡大が見て取れます。

項目前期比前年同期比
消費支出-2.06.0
理髪料5.010.7
パーマネント代7.9-15.2
カット代10.13.5
他の理美容代4.19.2

パーマネント代の大幅減少とその背景

一方で、パーマネント代は前年同期比で-15.2%と二桁減を記録し、理美容関連支出の中で唯一大幅な減少傾向を示しました。前期比では+7.9%と一時的な回復が見られるものの、長期的には需要の低迷が続いていることが分かります。パーマ需要減少の背景には、ライフスタイルやファッションの変化、手軽なヘアケア志向、セルフカラーやスタイリング商品の普及などが影響していると考えられます。今後もパーマ関連サービスの需要回復には新たな提案や付加価値の創出が求められるでしょう。

理美容サービスの消費傾向と今後の展望

理髪料・カット代・その他の理美容代は、コロナ禍を経て消費者の美容意識が高まり、安定した増加傾向を維持しています。特に「その他の理美容代」は、ヘアカラー、エステ、ネイル、アイビューティなど幅広いサービスが含まれており、今後も市場拡大が期待されます。一方で、パーマネント代の減少は業界にとって課題であり、新たなサービス展開やプロモーションが不可欠です。理美容業界は消費者ニーズの変化に柔軟に対応し、持続的な成長を目指す必要があります。