若年層で広がる利用と主要目的
2025年の調査によると、あん摩・指圧、鍼灸、接骨・整骨(総称して「あはき柔整」)の利用率は全体で14.5%と前年より1.5ポイント減少した一方、10代では接骨・整骨の利用率が前年より1.8ポイント増加し、若年層での広がりが目立った。保険適用なしでの利用率は全体で10.5%とほぼ横ばいだが、10代では2ポイント以上増加している。1回あたりの利用金額は「鍼灸」が最も高く平均7,413円、次いであん摩・指圧6,573円、接骨・整骨5,999円で、特に20代では全メニューで7,000〜8,000円台と高額傾向がみられる。利用理由のトップは「心身がリフレッシュできる・癒やされる」(37.0%)で、「体質や体調に合わせた施術」「即効性」「根本改善」など実感重視の声が多い。利用目的では「頭痛・肩や首の痛み、腰痛などの解消」(38.5%)が最多で、40〜50代では体のメンテナンスや痛み解消といった身体ケア目的が顕著である。
予約行動と利用継続傾向
予約方法は「施設検索・予約サイト」(29.2%)が最多で、20〜30代では「LINE」での予約が約2割、「その他SNS」での予約も若年層で1割を超える。利用開始時期は平均で2〜3年前だが、年代が高いほど継続年数は長い。施術時間は全体で40〜45分程度で大きな変化はない。特に接骨・整骨では40〜50代の利用時間が前年より延びている。非利用者における利用意向は各施術とも約4割前後で、30代での意向増加が見られる。年代が低いほど「最新・話題の施術」への関心が高く、20〜30代では脚や顔、ボディーラインなど部分的な悩み解消を目的とする割合が高い。
市場規模と男女別動向
保険適用なしにおける市場規模は3,947億円で前年より8.4%減少したが、男性市場は2,213億円と4.5%増で2年連続の成長を記録した。ジャンル別では、あん摩・指圧が1,243億円(前年比3.9%減)、鍼灸が1,331億円(同10.5%減)、接骨・整骨が1,373億円(同10.3%減)。いずれも女性市場は減少傾向にあり、特に鍼灸と接骨・整骨での落ち込みが大きい。一方、男性市場はあん摩・指圧で16.9%増、接骨・整骨ではほぼ横ばい、鍼灸は小幅減と、総じて堅調である。全体として、若年層での利用拡大と男性市場の成長が今後の業界の重要なカギとなることが示唆される。