東証プライム上場で美容業界向けBtoB流通の最大手、株式会社ビューティガレージ(本社:東京都世田谷区)は、2025年12月12日開催の取締役会において、美容クリニック向けに医療機器卸や開業支援を手がける株式会社アルク(本社:大阪府大阪市)の全株式を取得し、完全子会社化することを決議しました。

この買収により、ビューティガレージは従来の理美容サロン向け事業に加え、成長著しい「美容医療」の領域へと事業ポートフォリオを大きく拡大することになります。

買収のスケジュールと新体制

株式譲渡契約の締結は2025年12月16日を予定しています。その後、アルクはビューティガレージグループの一員として新たなスタートを切ることとなり、2026年1月16日付で商号を**「株式会社メディカルガレージ」**に変更する予定です。これにより、同社グループが展開する「ジムガレージ(フィットネス)」「スパガレージ(温浴・サウナ)」といった専門分野の子会社群とブランドイメージを統一し、グループ全体でのシナジー創出を加速させる狙いがあります。

買収される「株式会社アルク」とは

今回子会社化される株式会社アルクは、2007年3月に設立された企業です。大阪・難波に拠点を置き、主に関西エリアの美容皮膚科や美容形成外科をターゲットとして、医療機器の卸販売およびクリニックの開業支援を行ってきました。

直近の業績(2025年2月期)を見ると、売上高は5億900万円、営業利益1,800万円、経常利益2,100万円、純利益1,700万円となっています。過去3期の業績推移を見ても、売上高は5〜6億円規模で安定して推移しており、関西圏の美容医療市場において堅実な地盤を築いていることがうかがえます。

【アルクの直近業績推移】

  • 2023年度:売上高 6億900万円 / 営業利益 1,600万円
  • 2024年度:売上高 4億9,900万円 / 営業利益 4,100万円
  • 2025年度:売上高 5億900万円 / 営業利益 1,800万円

背景にある「中期経営計画」とウェルネス戦略

今回の買収劇の背景には、ビューティガレージが2025年6月に発表した**「中期経営計画(2025-2029)」**があります。同社はこの計画の中で、重点的な成長戦略の一つとして「新市場への挑戦」を掲げ、従来の理美容業界にとどまらず、より広義の「ウェルネス領域」への水平展開による事業拡大を打ち出していました。

ビューティガレージはこれまでも、この戦略に基づいた多角化を着実に進めています。

  • 2021年:フィットネス市場向けに「ジムガレージ株式会社」を設立。
  • 2025年:温浴・サウナ市場向けに「株式会社スパガレージ」を子会社化。

そして今回、これらに続く第3の矢として「メディカルガレージ(現アルク)」が加わることになります。これにより、同社は「ヘア・エステ・ネイル」といった美容サロン領域、「フィットネス」「スパ・サウナ」というウェルネス領域、そして専門性の高い「美容医療」領域までを網羅する、総合的な美容・健康プラットフォーム企業としての体制を盤石なものにしました。

今後の展望と期待されるシナジー

美容医療市場は、近年の美意識の高まりやエイジングケア需要の増加に伴い、依然として高い成長ポテンシャルを持っています。ビューティガレージは今回のM&Aについて、「ターゲット顧客の拡大を通じて、大きな潜在市場を獲得する機会を得ることができた」としており、美容クリニック市場への本格参入に強い意欲を見せています。

また、既存の顧客であるエステサロンや美容室においても、近年は医療提携や美容内服薬の取り扱いなど、医療との境界線がシームレスになりつつあります。「メディカルガレージ」がグループに加わることで、既存のサロン顧客に対しても、医療グレードの商材やノウハウを活かした新たな提案が可能になるなど、グループ全体でのクロスセルや事業シナジーも大いに期待されます。

2026年1月の社名変更を経て、新生「メディカルガレージ」がどのように全国展開を進め、美容医療業界に新しい風を吹き込むのか。業界の新たな動きとして注目が集まります。