全国理美容製造者協会(NBBA)は、このたび最新の「2025年サロンユーザー調査〔女性版〕」を発表しました 。この調査は15歳から79歳の女性6,600人を対象とした大規模なもので、美容業界における消費者の最新動向を鮮明に映し出しています 。
特に注目すべきは、若年層におけるパラダイムシフトです。10代後半(α世代後半〜Z世代)において、美容室選びの起点はすでにSNSへと完全に移行しつつあります 。本記事では、この最新データをもとに、若年層の心をつかむための集客・接客戦略を紐解きます。
これだけは押さえる3点
- 15〜19歳の層では情報源として「InstagramなどのSNS」が「予約サイト」を逆転しトップに立った 。
- 若年層の約6割がメイクやスキンケアのアドバイスを求めており、美容師にはトータルな提案力が期待されている 。
- 10代の約7割が店販商品に魅力を感じており、高い品質と効果を期待して投資する意欲が極めて高い 。
1. 「予約サイト」から「SNS・動画」へ:情報収集の逆転現象
15〜19歳の層において、美容室の情報収集源はついに逆転しました。これまで主流だった予約サイトを抑え、InstagramなどのSNSがトップに躍り出ています。
【表1:若年層の情報源(複数回答)】
| 情報源 | 15〜19歳 | 20代 | 全世代平均 |
| InstagramなどのSNS | 49.0% | 43.5% | 20.3% |
| 美容室予約サイト | 48.2% | 43.8% | 36.1% |
| YouTube/TikTok等 | 22.2% | 11.3% | 6.5% |
- 15〜19歳ではSNS(49.0%)が予約サイト(48.2%)を上回り、最大の情報源となっています 。
- 同層ではYouTubeやTikTokなどの動画サイトの活用率も22.2%に達し、全世代平均(6.5%)の約3.4倍もの利用率を示しています 。
- 20代でもSNS(43.5%)と予約サイト(43.8%)はほぼ拮抗しており、若年層にとってSNSは「探す・選ぶ」ための最重要メディアです 。
2. 美容師は「髪の専門家」から「トータルビューティーの相談役」へ
若年層がサロンに求めているのは、カットやカラーの技術だけではありません。彼らは美容師を、自身の美しさを引き出す「トータルアドバイザー」として信頼しています。
表2:サロンへの要望・アドバイス希望(「とても+ややして欲しい」合計)】
| 要望項目 | 15〜19歳 | 全世代平均 |
| ヘアスタイリング・アレンジ | 89.6% | 71.4% |
| ヘアケア | 87.9% | 75.3% |
| メイクアップ | 63.3% | 32.7% |
| スキンケア | 62.7% | 33.4% |
- 15〜19歳はメイクアップ(63.3%)やスキンケア(62.7%)へのアドバイスを求める声が6割を超え、他年代を圧倒しています 。
- 自分の悩みや髪質を理解する力を極めて重視しており、15〜19歳の86.0%が「納得するまでスタイルを話し合うこと」を求めています 。
- 実際にヘアスタイルを決める際、15〜19歳の54.8%が「SNSで見てよいと思ったヘアスタイルにする」と回答し、美容師との相談(46.8%)を上回る結果となっています 。
3. 店販商品は「憧れ」から「納得の投資」へ
若年層は店販商品(サロン専売品)に対しても、非常に高い関心と肯定的なイメージを持っています。
表3:店販商品の魅力度と購買意識】
| 項目 | 15〜19歳 | 全世代平均 |
| 店販商品に魅力を感じる(TOP2) | 68.5% | 43.7% |
| 「効果・効能が高い」イメージ | 51.2% | 37.7% |
| 「高めだが価値がある」イメージ | 41.4% | 35.8% |
- 10代の約7割が店販商品に魅力を感じており、品質への期待が全世代で最も高い層と言えます 。
- 購買行動も活発で、15〜19歳の店販商品購入予算(1回あたり)の平均は7,323円と、全世代平均(6,008円)を1,300円以上上回っています 。
- 購入チャネルは「直接購入」が主流ですが、SNS世代らしくECサイトを併用する割合も他年代より高いのが特徴です 。
現場で活かせるアクションプラン
データから見えてくるのは、**「SNSで世界観を伝え、店頭ではトータルな美の提案を行う」**スタイリストが若年層に選ばれるという未来です。
- SNSを「予約の入り口」として設計する: 15〜19歳の予約手段として「予約サイト以外のサイト(SNS等)」が20.8%に達しており、SNS内での完結を意識した運用が不可欠です 。
- 髪以外の「美」の知識を蓄える: スキンケアやメイクのアドバイスを強く求める若年層に対し、プロとしての知識を提供することで強い信頼関係を築けます 。
- 店販の価値を正しく伝える: 若年層は「価値があるもの」には投資を惜しみません 。SNSで得た知識をプロの視点で裏付け、納得感のあるカウンセリングを提供しましょう